機能性表示食品の届出表示を横並びにすると見える3つの違い

木のテーブルに置かれた緑茶のカップとヨーグルトの器、ラベルのない茶色の瓶、開いたノートの静物写真

本ページは医薬品・医療の制度と市場を整理したもので、受診や服用を勧めるものではありません。

「体脂肪」「内臓脂肪」「お腹の脂肪」といった言葉を掲げた飲料やサプリメントは、ドラッグストアや通販サイトに数多く並んでいます。これらの多くは機能性表示食品かトクホ(特定保健用食品)で、パッケージや公式ページには国への届出または許可に基づく表示が載っています。ただ、似た言葉が並んでいても、文章を分解すると、対象にしている人、述べている項目、前提としている条件が商品ごとに違います。

本記事は、当サイトの機能性表示食品・トクホの比較表に掲載した10商品のうち、届出表示または許可表示の原文を確認できた9商品(機能性表示食品7点、トクホ2点)を横並びにし、見えてくる3つの違いを整理します。特定の商品を推奨したり、順位を付けたりするものではありません。効果には個人差があります。

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前提:届出表示は事業者が届け出た文章であり、優劣を示すものではない

消費者庁は、機能性表示食品制度を「国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度」と説明しています。特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が個別に審査を行うものではなく、事業者は自らの責任で科学的根拠に基づく適正な表示を行う必要があります。

一方、トクホは、食品ごとに有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得て販売される制度です(健康増進法第43条第1項)。両者は、国の関わり方が異なる別の制度であり、どちらが優れているという序列を示すものではありません。以下で引用する表示は、各社公式ページや消費者庁の許可品目一覧に掲載された文言のとおりで、言い換えや要約はしていません。届出は事業者の責任で行われ、消費者庁が個別に許可したものではありません。

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違い1:表示が対象にする人と、述べている項目が異なる

最初の違いは、表示が誰を対象にしているか、そして何について述べているかです。次の表は、各表示に出てくる語を並べたものです。

商品(販売者・区分)対象として書かれている人表示に出てくる項目併用・摂取に関する記載表示の文末
内脂サポート(ファンケル・機能性表示食品)「肥満気味でBMIが高めの方、お腹の脂肪が気になる方に適しています」お腹の脂肪(内臓脂肪、腹部総脂肪、腹部皮下脂肪)、体重・体脂肪、高めのBMI1日3粒「報告されています」
ウエスト気になる(DHC・機能性表示食品)「肥満気味の方」体脂肪、血中中性脂肪、体重、ウエスト周囲径、高めのBMI値1日量は公式サイト参照「役立つことが報告されています」
おなかの脂肪が気になる方のタブレット(大正製薬・機能性表示食品)「肥満気味な方」エネルギー消費(カロリー消費)、体重、おなかの脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)、ウエスト周囲径1日3粒。注意書きに「本品を摂取する際には、適度な運動と食生活の是正も必要です」「報告されています」
ナイスリムエッセンス ラクトフェリン(日清食品グループ・機能性表示食品)「肥満気味な方」内臓脂肪、高めのBMI1日3粒「役立ちます」
ヴァームスマートフィット(明治・機能性表示食品)「BMIが高めの方」脂肪の代謝、体脂肪「身体活動との併用により」「報告されています」
明治脂肪対策ヨーグルト(明治・機能性表示食品)「肥満気味の方」お腹の脂肪(腹部総脂肪)1日1個(112g)。注意書きに「バランスの良い食事や適度な運動習慣と合わせて摂取して下さい」「報告されています」
お~いお茶 濃い茶(伊藤園・機能性表示食品)「BMIが高めの方」体脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)、BMI1日1,200ml、食事と共に「報告されています」
ヘルシア 緑茶(キリンビバレッジ・トクホ)「内臓脂肪が多めの方に適しています」内臓脂肪350mlを目安「適しています」
特茶 ほうじ茶(サントリー・トクホ)「体脂肪が多めの方に適しています」体脂肪1日500ml。「日常の身体活動による」「適しています」

2026年10月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。届出表示は消費者庁の届出データベースの記載を引用しています。届出は事業者の責任で行われ、消費者庁が個別に許可したものではありません。

対象として書かれている人の語は、「肥満気味」「BMIが高め」「内臓脂肪が多め」「体脂肪が多め」と分かれています。同じ「脂肪」でも、表示が述べている項目は、内臓脂肪だけの商品、体脂肪を挙げる商品、体重やウエスト周囲径まで並べる商品、エネルギー消費にまで触れる商品があります。内脂サポートのように複数の関与成分を含む商品では、成分ごとに別の項目が述べられているため、どの文がどの成分についての表示なのかを読み分ける必要があります。

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この違いは、表示を見たときに「自分が表示の対象に含まれるのか」と「表示が述べている項目は何か」を、商品ごとに確認する必要があることを意味します。表示に書かれた対象に当てはまらない場合に、同じ内容が当てはまるとは限りません。

違い2:併用条件と摂取量の書かれ方が異なる

二つ目の違いは、食事や運動との併用が表示の中に組み込まれているかどうか、そして摂取量の示し方です。ヴァームスマートフィットの届出表示は「身体活動との併用により」と書かれ、特茶の許可表示は「日常の身体活動による」と書かれています。商品だけで述べた表示ではなく、運動や日常の活動が前提になった表現です。

一方、大正製薬の商品では、表示そのものではなく注意書きの形で「本品を摂取する際には、適度な運動と食生活の是正も必要です」と案内されています。明治脂肪対策ヨーグルトにも「バランスの良い食事や適度な運動習慣と合わせて摂取して下さい」という注意書きがあります。伊藤園の濃い茶は、1日1,200mlを「食事と共に」摂取するよう案内しています。併用の条件が、表示の文章の中にある商品と、注意書きに回っている商品があるわけです。

摂取量も商品によって大きく異なります。1日3粒の商品もあれば、1日1個(112g)のヨーグルト、1日500mlや1日1,200mlの飲料もあります。ヘルシア 緑茶は350mlを目安としています。1日当たりの目安量は、表示の根拠となった試験の条件に結びついています。消費者庁は、たくさん摂取すればより多くの効果が期待できるというものではなく、過剰な摂取が健康に害を及ぼす場合もあるとして、パッケージの注意喚起事項をよく確認するよう案内しています。飲料の場合は、1日の目安量が液量で示されるため、他の飲み物との組み合わせや、カフェインの量にも留意が必要です。伊藤園の商品ページには、通常の緑茶飲料よりカフェインが多く含まれるため、カフェインに敏感な方などは飲用を控えるよう記載されています。

違い3:文末の表現と、制度上の位置づけが異なる

三つ目の違いは、表示の文末と制度上の位置づけです。機能性表示食品の表示は、「報告されています」「役立ちます」といった文末になっています。「報告されています」は、届出に用いた臨床試験や研究レビューの中で報告された内容を示す表現で、商品を摂取した個々の人に同じ結果が得られることを述べたものではありません。商品そのものを用いた試験で確かめた結果と、成分についての研究レビューの結果とでは、根拠の性質が異なります。どちらの方式で届け出られたかは、消費者庁の届出情報検索で届出資料を開いて確認できます。

これに対し、トクホの許可表示は、ヘルシア 緑茶も特茶も「適しています」という文末で、「〜が多めの方に」という対象とセットになっています。トクホは国の個別審査を経た表示で、機能性表示食品は事業者が届け出た表示です。文末が違うだけで、優劣を示しているわけではありませんが、表示がどの制度に基づくかによって、文章の作られ方が違うことは読み取れます。

また、制度上の違いは、番号の確認方法にも表れます。機能性表示食品は届出番号を、トクホは許可番号を表示欄で確認します。明治脂肪対策ヨーグルトの届出番号はH209、ドリンクタイプはH1228のように、同じシリーズでも形態によって番号が異なります。ヴァームスマートフィットも、届出番号は商品ごとに異なります。当サイトの比較表では、公式サイトで番号や表示の全文を確認できなかった商品(ハーブ健康本舗のシボヘール)は「公式サイト参照」と表記し、本記事の表には含めていません。番号が確認できない場合は、パッケージの届出番号を消費者庁の届出情報検索で照合すると、原典で表示の内容を確かめられます。

表示を読むときの確認点と一次情報の確認先

3つの違いを踏まえると、商品の表示を読むときは、次の点を順に確認すると整理しやすくなります。

  1. 制度の区分:機能性表示食品(届出番号)か、トクホ(許可番号)か。
  2. 対象として書かれている人:「肥満気味」「BMIが高め」など、表示の対象は誰か。
  3. 述べている項目:内臓脂肪、体脂肪、体重、ウエスト周囲径など、どの項目か。
  4. 併用条件:運動や食事との併用が表示や注意書きに書かれているか。
  5. 摂取量:1日の目安量はどれだけか。過剰な摂取は避けるよう案内されています。
  6. 購入条件:単回購入か定期購入か。継続の条件や解約方法は購入前に確認します。

定期購入の仕組みと特定商取引法の改正は機能性表示食品・トクホの比較表で、広告表現のルールは法規制と広告ルールで整理しています。持病がある方や薬を服用している方は、摂取について医師・薬剤師に相談してください。本記事で引用した一次情報は次のとおりです。

各商品の届出表示・許可表示は、各社の公式商品ページと消費者庁の公表資料で確認できます。2026年10月10日時点の公開情報に基づく記事であり、表示や届出内容は改定される場合があります。

本サイトは公開情報を整理した業界レポートであり、特定の医薬品・医療機関・食品・サービスを推奨するものではありません。医薬品の使用は医師・薬剤師の判断に従ってください。GLP-1受容体作動薬等の自由診療は公的医療保険の適用外で、費用・副作用・リスクは医療機関で確認してください。機能性表示食品は疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。効果には個人差があります。